海鳥やアカガシラカラスバトの繁殖期だけのネコ捕獲では、根本的な解決になりません。
【山で暮らすネコをゼロにする】 を目標に、2010年1月ネコ捕獲隊が結成され、父島では山域全体の通年捕獲がはじまりました。母島では、南崎の通年捕獲を基本に、他の山域は毎年捕獲範囲を拡大しながら取り組んでいます。
地図と経験と勘を頼りに、ネコが歩きそうな場所を探し、捕獲カゴを山の中に運び込みます。それぞれ地域ごとに捕獲ラインをつくり、およそ200~300mごとに捕獲カゴを設置しています。
ネコの撮影状況に応じて捕獲エリアを決め、メンバーそれぞれが担当エリアに仕掛けに行きます。
台風接近中は休むこともありますが、前日仕掛けていたら、どしゃぶりでも見回りに行きます。
前日仕掛けたエリアを回り、ネコの捕獲がないか、仕掛けたエサが残っているのか、他の小動物に食べられてしまっていないかを確認し、新たなエサを仕掛けます。
捕獲カゴ周辺に仕掛けているセンサーカメラの撮影データも回収します。
ネコの捕獲を確認したら、状態を観察します。できるだけ刺激しないようにブルーシートに包んで背負子に縛り、背負って運び出します。電波の通じるエリアで、ねこまちに捕獲確認、予定到着時間を連絡しておきます。
山から戻るとセンサーカメラの撮影データをチェックし、ネコの行動を把握します。また定期的にミーティングを行い、戦略を練ります。
ネコを捕獲するためのメインのエサは、手作りしています。小ぶりのサバを煮干し・醤油・砂糖で煮込み、冷凍保存して使います。
母島南崎では、海鳥繁殖地に設置したネコ侵入防止柵の周りにネコの足跡がないか、柵の損傷がないか、も調べます。
山のなかのネコの生息状況を知るためのもうひとつの方法として、ネコ糞の存在があります。
野生動物調査や観光で山に入った、環境省・東京都のレンジャーや観光ガイドが、採取位置情報を教えてくれます。
山のなかのネコの生息状況を知るため、センサーカメラ(熱のある動物に反応して撮影)を仕掛けています。ネコとその他野生動物を対象に、父島では120台のカメラを仕掛け、毎月月末にデータを回収して、ネコの動きを把握しています。
センサーカメラの写真では、森の中を移動する様子や捕獲カゴを気にする様子、ネズミをくわえていたり、親子だったり…といろいろなネコの姿が写っています。
毛色で個体識別が可能なネコは、番号をつけて追跡します。
【 お問い合わせ先 】
→譲渡に関して:小笠原ネコに関する連絡会議
→小笠原諸島のネコ対策に関して:環境省小笠原自然保護官事務所
→このホームページに関して:小笠原村環境課