東京の南1,000Kmに位置する大小30あまりの島が小笠原諸島で、現在は父島・母島の2つの島に人々が暮らしています。
これらの島々は、大陸と一度もつながったことがない海洋島で、ここだけにしか見られない固有の動植物が数多く生息しています。
2011年6月、海洋島での独自の進化の過程が評価され、世界自然遺産に登録されました。
2005年春、母島南崎の海鳥繁殖地がネコによって消滅寸前であることがわかりました。
同じ年の冬、小笠原諸島にのみ数十羽しか生息しないといわれているアカガシラカラスバトの重要な繁殖地である父島東平でも、ネコが目撃され捕食の危険が高まっていました。
有志と多くの行政機関の協力を得て、ネコの捕獲がはじまりました。
2005年、小笠原のネコ問題に取り組む組織「小笠原ネコに関する連絡会議」が結成されました。
【人とペットと野生動物が共に暮らせる島】 をめざして活動しています。
海鳥やアカガシラカラスバトの繁殖期だけのネコ捕獲では、根本的な解決になりません。
【山で暮らすネコをゼロにする】 を目標に、2010年1月ネコ捕獲隊が結成され、父島では山域全体の通年捕獲がはじまりました。母島では、南崎の通年捕獲を基本に、他の山域は毎年捕獲範囲を拡大しながら取り組んでいます。
2010年父島での通年捕獲がはじまり、東京の受け入れ先のどうぶつ病院が決まるまでのあいだ過ごすための一時飼養施設「ねこ待合所」ができました。
捕まえたネコをできるだけ健康な状態でどうぶつ病院に届けることがミッションです。
ネコ待合所の西側の掲示板には、活動の様子をお知らせする掲示物の他に、東京のどうぶつ病院に引っ越しをしたネコのタイル絵が、島ネコNo.と引越し先の病院名とともに展示してあります。
どうぶつ病院では、健康チェック、不妊去勢手術、人に馴らす訓練が行われ、新しい飼い主さんを探します。
ネコたちの新しい生活の第一歩です。
新たなノネコを集落から生みだすことがないように、山域でのネコ対策と並行して、集落内の飼いネコ、ノラネコ(エサやりネコ)の調査、管理を行っています。
【人とペットと野生動物が共に暮らせる島】 をめざしています。
消滅寸前まで追い込まれた母島南崎海鳥繁殖地ですが、草地に穴を掘って営巣するオナガミズナギドリは 2009年から毎年巣立ちが確認されるようになりました。
【 お問い合わせ先 】
→譲渡に関して:小笠原ネコに関する連絡会議
→小笠原諸島のネコ対策に関して:環境省小笠原自然保護官事務所
→このホームページに関して:小笠原村環境課