新たな野生化ネコを集落から生みだすことがないように、山域でのネコ対策と並行して、集落内の飼いネコ、ノラネコ(エサやりネコ)の調査、管理を行っています。
【人とペットと野生動物が共に暮らせる島】 をめざしています。
小笠原村では、ネコの排泄物による公衆衛生の低下や、野生動物に対する影響が懸念されるようになり、1996年から集落内のノラネコに対し避妊去勢手術を行うことで増殖を抑え、自然減を図る取り組みを行ってきました。
これまでに417頭に実施、2010年以降は新たなノラネコを認めていません。
1999年から、環境衛生の保持と自然環境の保全を目的に、日本初となる「小笠原村飼いネコ適正飼養条例」が運用されています。
2021年からは、対象をペット全体に広げた「小笠原村愛玩動物の適正な飼養及び管理に関する条例」(ペット条例)が施行され、飼いネコの飼養登録などによる把握・管理やマイクロチップの装着などの適正飼養を推進しています。
島では、野生動物が家の庭先までやってくる環境で暮らしているため、飼いネコと野生動物の接触を避けるために、室内飼養を推進しています。
また、集落・農地にいるノラネコ(エサやりネコ)の把握・対応を行ったり、小笠原のペットの飼い主による「飼い主の会」とも協働し、飼いネコの動向やペット情報の交換を行ったりしています。
島にはどうぶつ病院がないため、飼いネコの適正飼養の推進と不適切な繁殖の防止を図る目的で、2008年から2016年までの9年間、(公社)東京都獣医師会の協力を得て、毎年秋に「どうぶつ派遣診療」を実施していました。
血液検査、糞便検査、聴診、触診によって健康診断が行われます。
ワクチン接種や飼養登録、マイクロチップの挿入も行われています。
また、ネコの室内飼養に向けた専門的なアドバイスや飼養相談も行われます。
飼いネコの避妊去勢率は100%を達成し、新たな野生化ネコを集落から生みだすことがなくなりました。
ネコ対策がはじまる以前から暮らしていた集落内のエサやりネコも寿命を迎え、少しずつ数を減らしてきています。
診療会場の開設にあたっては、富士フィルムメディカル(株)、フクダエム・イー工業(株)、日本医療(株)、日本光電東京(株)、日本全薬工業(株)、森久保薬品(株)、アコマ医科工業(株)、(株)共同酸器、(株)トップブロードケア事業部、(株)キリカン洋行、ファイザー(株)、ムナテックス(株)、ノバルティスアニマルヘルス(株)、DSファーマアニマルヘルス(株)と大変多くの企業から医療機器や医薬品の無償貸与、提供をいただきました。
会場では、ネコ事業の目的や進捗状況、課題や成果などを受診した飼い主さんひとりひとりに説明を行い 「小笠原で野生動物を守りながら、大切なペットとどのように暮らしていくか」を考えてもらう機会にしています。
動物とふれあい、世話をする体験の少ない小笠原の子供たちに対しては、小学低学年向けにニワトリを用いた「ふれあい教室」、中学生向けに「小笠原の自然環境に配慮したペットの飼い方」をテーマとした授業が行われました。
【 お問い合わせ先 】
→譲渡に関して:小笠原ネコに関する連絡会議
→小笠原諸島のネコ対策に関して:環境省小笠原自然保護官事務所
→このホームページに関して:小笠原村環境課